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初号機の 基本設計審査(PDR)を完了

衛星間光通信用の衛星初号機「LEIHO(霊峰)」の基本設計審査(PDR)を完了。2025年の打上げに向け前進

この度衛星間光通信サービスに用いる衛星初号機の基本設計審査(PDR・Preliminary Design Review)を完了し、ビジネスを成立させられる設計になっていることの確認ができたことをお知らせします。

基本設計審査(以下PDR)とは、人工衛星の基本設計が製造や運用上の諸条件を満たしているかをチェックする、衛星開発の過程で一般的に「第一関門」とみなされる審査です。

民間による人工衛星開発の場合では多様な顧客ニーズやその収益性を念頭に設計を行うため、ビジネスが成立するかも併せての重要な審査となります。

このPDRは、「WarpHub InterSat(ワープハブ・インターサット)」と呼ばれる光通信ネットワークを構成し、2025年に打上げを予定している初号機「LEIHO(霊峰)」に対して行われました。

2030年までに地球を周回する人工衛星数は4万~5万基に上ると推定される中で、人工衛星の数が増えることによって電波の周波数帯域の枯渇が危惧されています。また、センサー機器の発展により、電波では高容量の通信ができないことが、宇宙開発のボトルネックになると危惧されています。

ワープスペースはこれらの問題を解決するため、低軌道を周回する人工衛星向けに、光を用いた即応通信ネットワークサービス「WarpHub InterSat」の展開を目指しています。本サービスは、中継衛星3基を第一世代とした展開の実現を目指しています。

このように衛星基数が増加の一途を辿る中、顧客獲得のための開発競争も今後は活発化することが予想されています。その中でワープスペースは様々な事業者との対話を繰り返し、「WarpHub InterSat」が顧客の問題を解決するに最適な設計になっているか、ビジネスとして成立するかの評価を繰り返し行い、その結果を設計へと反映させてきました。

たとえば、高い軌道を取ればそれだけ地上局への可視時間は増えますが、通信を行う顧客の衛星との距離は大きくなり、それだけ光通信端末の必要サイズや電力が大きくなります。顧客を特定し、その軌道を把握していく中で、ワープスペースの衛星は中軌道の中でも比較的低い軌道である高度2000kmをとることにしました。これにあわせて設計も調整しました。

PDRの完了には概ね以下の要素が必要とされました。

①通信の高容量化・低遅延化や端末の小型化など顧客の要求を満たす最適なサービスであること

②顧客に提供するための適切な機器や軌道の選定

③競争力・安定性を維持するサプライチェーン及び製造コストの最適化

今回のPDRは現在ハンズオンアドバイザリーとして、JAXAで温室効果ガス観測衛星・いぶき(GOSAT)の開発など長年日本の宇宙開発をリードしてきた元JAXA理事の浜崎敬や、過去に日本の光通信実証プロジェクトに参画した方、ESA(欧州宇宙機関)での開発経験を持つエンジニアメンバーなど、宇宙開発や光通信に関する知見や開発実績を持つ経験者が中心となったチームにより行われました。

これら専門家の視点より設計の基礎条件である要素が満たされていることが確認され、事業性も担保されたことで、ワープスペースとしてLEIHO(霊峰)の開発を次のフェーズへと進めることができることとなりました。

ワープスペースは、爆発的な成長を遂げる民間の宇宙開発の中で、顧客や市場ニーズへ最適なサービスを迅速に提供することを最優先に考え、引き続き開発に取り組んでまいります。具体的には、より詳細な設計やシステムの検証・最終的な製造準備を進めるための詳細設計審査(CDR) に向けての開発を進めていきます。

代表取締役CEO 東 宏充 コメント

「今回、確かな開発経験を持つ専門家による厳しいPDRを経て、技術的な蓋然性だけでなく、収益性の観点からも事業として成立することが確認されました。光通信が世界的にも安全保障としての需要が高まる中で、サービスの有意性を今後も様々な角度から広く伝える必要があります。私たちは今後も市場のニーズに最適なサービスを迅速に実現できるよう全力で努めてまいります。」

CTO 永田 晃大 コメント

「PDRの完了までに、私たちは市況や顧客のニーズにフィットする最適な軌道設計や通信端末の選定を追求してきました。リソースが限られる中、速い市況動向を、常に・迅速に・柔軟に反映できる体制で開発を進めることは容易ではありませんが、それこそが私たちの強みの1つです。向かうCDRでも、可能性を考慮し最適設計を模索するアジャイルの姿勢は変えずに開発へ取り組んでまいります。今後ともご支援よろしくお願いします。」


(参考)

Riding the exponential growth in space

Future of space economy (deloitte.com)

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